ゲイとレズビアン映画祭、そして美輪明宏。

昨日は、『シェリーシェリー』というゲイとレズビアンの映画祭に行ってきました。
http://cheries-cheris.com/
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なんと今年で17回目!!
お目当ては、フランス人の監督がとった美輪さんのドキュメンタリー。
http://cheries-cheris.com/miwa.html
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ドキュメンタリーとしてはいまいちだったけど、
美少年の美輪さんが観れて、本当にほれぼれした。
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監督は、美輪さんのご自宅に1週間滞在してこのごキュメンタリーをとったらしい。
もちろん、三島由紀夫とか寺山修司とか、
もう私たちからすると、歴史上の人物とつながってる美輪さんって、まさに生き証人。
一つ思ったのは、
美輪さんも三島由紀夫も寺山修司も横尾忠則もみんな、
『前衛』って言われていたけど、
前衛なんて後からついて来たことで、確実に『現在』だったんだなあ、という感じがした。
当時、新しいことを考えてたんじゃなくて、
誰よりも当時の『現在』を考えて考えて、本気で生きてたんだなあ、と思いました。
あとは、とにかく、
グレーゾーンがない。
0か100。
ダサイも、
恥ずかしいも、
美しいも、
気持ち悪いも、
常に、マックス。
これって、やっぱり一番に芸術を享受する側を意識した発信者の責任なんだろうな。
というか、最低限で最重要のことかもしれない。
終わってから、監督のトークがあって、フランス人めっちゃ質問してました。
監督が、最後に、
ちなみに、日本では毎朝美輪さんからのメッセージが届くアプリケーションがあります、
とか言ったら、
フランス人すごい興奮していた笑

大好き、演出選抜クラス。

コンセルバトワールの授業は、大学のように必修科目と選択科目に別れています。
必修科目は、基本的に、実技15時間+身体訓練3時間(ヨガなど)からなっており、
その他に、選択科目として、ダンス、歌、理論、演出、古典戯曲、現代戯曲などなどのクラスを選択できます。
各クラス基本的に、準備が必要なのでとりすぎると大変なことになるそうです…
選択科目は、基本的にすべてのコンセルバトワールの生徒が好きに選ぶのでコースによっては、
学年で制限されていたり、オーディションがあったりします。
私が選択した、演出の授業は2年生以上しかとれないことになっているのですが、
先生が人気で、定員20人のところ初回45人近く登録に生徒が集まってしまいました。
そこで、一回目の課題によって生徒を絞るとのこと。
課題は、ドストエフスキー『地下室の手記』…以上。
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この本を読んで、5分から10分程度の作品を作ること。
『地下室の手記』は、ドストエフスキー文学を解く鍵とも言われているほど、
重くて、暗くて、どん底な、狂った人の話。
「ぼくは病んだ人間だ……ぼくは意地の悪い人間だ。およそ人好きのしない男だ」
だって、オープニング、これだもん。。
読めば読むほど、わけわかんなくなって、
日本語訳が見つかりませんでしたって言おうかなって思ったけど(ズル)、
とりあえず、最後までいったらこのこの狂った主人公がやっぱり本当に狂ってるのか、
それともこの狂った文章を一生懸命読んでる私が狂ってるのか、わからなくなって、
しまいには、こんな粋な文章に出会って、
「それにしても、諸君が、ただ正常で肯定的なもの、
つまりは泰平無事だけが人間にとって有利であるなどと、
どうしてまたそれほど頑固に、
いや誇らしげに確信しておられるのか?
いったい理性は利害の判断を誤ることはないのか?
ひょっとして、人間が愛するのは
泰平無事だけではないかもしれないではないか?
人間が苦痛を同程度に愛することだって、ありうるわけだ。
いや、人間がときとして、おそろしいほど苦痛を愛し、
夢中になることさえあるのも、間違い無く事実である。
この点なら、何も世界歴史など持ち出す必要は無い。
もし諸君が人間で、
たとえわずかとも人生を生きた経験があるのならば、
自分の胸に聞いてみるがいい」

みんなで、輪になって座って、バッハの音楽にのりながら、順番に、
冒頭部分の「ぼくは病んだ人間だ……ぼくは意地の悪い人間だ。およそ人好きのしない男だ」を叫ぶという演出を思いつきました。
牛タンゲームを始めるときの、イエーイ!!っていうイメージ(?)
で、果たしてこれをうまくみんなに伝えられるか…
よく、15区の授業でも自由創作というのがあって、
一人でやってもいいし、
もしくは、自分で考えて来たプランをその場で、他の生徒に、
「おてつだいさん、○人お願いします!」
といって、一緒に作品に出てもらうっていうシステムがあるみたいです。
で、これを一度わたしもやってみたかったので、
12人お手伝いさんお願いします、といって、
かたことの初演出。
劇場の関係で、ipodがつなげず音楽がかけられなかったので、
急遽、みんなで床や体をたたいてリズムを刻むことに変更。
そして、みんな一発で理解2分後には本番!!!
…完璧。
そのシーンのあとに、私が超下手なフランス語で超笑顔で上記の抜粋部分を読んだ。
なんで、日本人がフランス語読んでるんだっていう狂ってる状況を肯定したかった。
というか、なんでもかんでも、
この世に起こることすべて肯定したいと思います(笑)
皆さんの理解の良さと柔軟さと役者としての責任感に拍手…
これは、みんなに大して思うことなのだけれど、
ステージに上がって、作品が始まっちゃってからの動じなさがとにかくすごい。
説明がわかりきってなくっても、絶対にうろたえない。
作品を発表すると、なぜか、みんなすぐ仲良くなるから不思議。
先週は、めっちゃとげとげしかったのに。
演劇って、素敵。

ラシーヌ『ブリタニキュス』

今週の課題だった、ラシーヌの『ブリタニキュス』がやっと終わりました。
日本で、万葉集読むみたいなもんだから、
さすがに、今回は、難しすぎて半ばあきらめていたけど、
救世主が現れました。
なんと、パリのジュンク堂に岩波文庫から出ている日本語訳を発見!!
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こんなマイナーな本がフランスで手に入るなんて!
ただ、値段は倍したけど、
価値は私次第だと思って、購入。
読んでみたら結構、面白かったです。
主人公のネロンは、「暴君ネロ」のあのネロのことらしい。
ためしに、気に入ったシーンを日本語で練習して、
昨日先生とみんなに、本、見つけた!!と報告したら、
ブラボー!ってすごい喜んでくれて、
日本語でシーンを発表。
一緒にやった子はもちろんフランス語で。
今回の最大のテーマはアレクサンドラン(*)だから、
日本語やるのは、あまり意味がないのだけど、悲劇を演じるというテーマに関しては、
今はこの方法が最良と考えました。
発表後、毎回ディスカッションしてどうしたら感想とかもっとよくなるかとかを、
話し合うのだけれど、
日本語にもアレクサンドランがあるのでは!?といわれた。
だから、シーンを作る上でみんなは日本語がわからないから、
音楽を意識しました、と答えたら妙に納得してくれた。
いちいち寛大。
他のシーンは、日本語で読んでから、
フランス語で挑戦。
大変なのは、自分がしゃべってるときより、相手の台詞のとき。
言ってることがよくわからないから、
とっても不自由。
でも、その分、声や動作のニュアンスにすごく意識がいった気がしました。
今日の最終発表では、
パートナーが、私とやるシーンを
何故か、日本語で覚えて来てくれた(笑)
感動。
とにかく、わかったことは、
「外人としての遠慮」だけは絶対に禁物。
他は、どんなに迷惑をかけても、どんなにめんどくさいことを頼んでも、
問題ない。
と、勝手に確信している。
*アレクサンドラン
アレクサンドラン(または十二音綴、alexandrine)は詩における韻律の行、つまり詩行(詩句)の一種。英語詩でも使われ、その場合はアレクサンドル格と訳される。アレクサンドランはバロック時代のドイツ文学や、近・現代のフランス語詩で一般的である。イギリス演劇でも、古い時代に使われることは多かったが、クリストファー・マーロウやウィリアム・シェイクスピアによって弱強五歩格にとって代わられた。(ウィキペディアより引用)
http://ja.wikipedia.org/wiki/アレクサンドラン

WHAT’S 『コンセルバトワール』?

コンセルバトワールって、結局なに?ってよく聞かれて、
そういえば自分でもよくわかってなかったので、調べました笑
日本で、コンセルバトワールって言うと、『のだめカンタービレ』の影響で、
やはり音楽の国立専門学校というイメージが強いのですが、
コンセルバトワールは、
音楽、ダンス、そして、演劇の3部門に別れています。
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上の図演劇のコンセルバトワールのかかれたもので、
左側に書かれているのが、パリの区のコンセルバトワール。
右側に書かれているのが、フランスの国立のコンセルバトワールです。
基本的な流れとしては、
区のコンセルバトワールの養成期間を経て、
そのまま、区で3年間続ける人もいるし、
国立のコンセルバトワールを受験する人もいます。
この二つの違いは、最終的な証明書のレベルの違い。
卒業後、プロとして活動するときに、この証明書はかなり有効になるそうです。
ちなみに、私がいるのは左側の3番目です。
演劇の区のコンセルバトワールに関しては、
音楽、ダンスが子どもから大人までプロ、アマ問わず200名近く幅広く開かれているのに対して、
演劇は、各15名弱。
音楽、ダンスの場合、レベル分けが出来るけど、
演劇は出来ないからだそうです。
ちなみに、フランスの教育システムについて、触れておくと、
とにかく無料。
高校を卒業して、「バカロレア」という高校卒業一斉試験のようなものを取得すると、
国立の大学を選ぶことが出来ます。
つまり、大学入試はなし。
このときに、コンセルバトワールに希望する人は、オーディションを受ける。
コンセルバトワールも、大学と同等の価値があるから、
両立する人もいるけど、
オーディションに合格すると、
大学をやめる人が多いみたいです。
やはり、国が助成しているだけあって、
出席にはかなり厳しい。
それと同等に、俳優という職業意識も高い。
コンセルバトワールの卒業生には、いろんな保証があるみたいです。
それは、またのちのち調べてみます◎

最初の一週間。

コンセルバトワールでの最初の一週間が終わりました。。
すでに、瀕死状態(笑)
なんと、15区の顔である、先生のリザが病気になって、
3週間のあいだ、代行の先生アンが授業を受け持つことに。
彼女は、19歳のとき、
演劇経験ゼロで、パリのコンセルバトワールナショナルに一発合格したという伝説をもつ奇才。
現在は、女優であり演出家。
授業初日の3日前になって出された課題が以下。
1週目:Roland Schimmelpfennig『プッシュ・アップ』
2週目:ラシーヌ『ブリタニキュス』
3週目:ブレヒト『アルトロ・ウィの抑え得た興隆』
3つの時代、3つの手法、3人の戯曲を取り上げるというワークショップらしい。
初日は、自己紹介を5分間の作品にして発表するという課題からスタート。
みんなのことを、あり得ないほど好きになる作品ばかりだった。
わたしは、フランス語で話すとどうしても子どもっぽくなってしまって、
なめられると思って、
日本語でしゃべって、
それ尾自分で通訳するという作品を作りました。
いずれにしても、フランス語を話すと子どもみたくなっちゃうから、
お笑い。
そして、今週野の課題の、なぞのドイツ人ローランの戯曲。
Roland Schimmelpfennigは
ベルリンのシャウビューネの若き演出家として活躍する演出家トーマス・オスターマイヤーとも、
よく仕事をしてるというドラマツルギー兼、演出家兼、作家。
会社の中での人間関係のはなし。
3つのパートに別れていて、ダイヤローグとモノローグのみで構成されている。
ダイヤローグの合間合間に、モノローグが挟まれる形式になっていて。
徐々に、キャラクターとか関係性が明らかになっていくのが、
とても面白い。
ダイヤローグは、同じ時間軸で続いていくんだけど、
その合間合間にモノローグで真意が入ることによって、
どんどんダイヤローグが異なって聞こえてくる。
授業は、先生が進めて行くというよりは、
シーンを発表して、その場でディスカッションをして、他の生徒に演出される感じ。
この戯曲を扱った授業が1日5時間、月曜日から水曜日までつづき、
木曜日は、
午前中は、ヨガをもとにした身体訓練3時間半、
午後は、選択科目である経験者向けの演出の授業が5時間。(選択科目はパリの各コンセルバトワールから集結したメンバーで行われるため、人数制限のあるものは再度オーディション。)
演出の授業では、来週からドストエフスキーの『地下室の手記』を扱うらしく、
早速自分で5分くらいの作品を作ってこいとのこと…
ハード。
週末は、明日からの課題であるラシーヌの『ブリュタニキュス』を読んでみようと何度も試みたけど、
登場人物の解釈でいっぱいいっぱいでした…
でも、15区の雰囲気は最高。
コンセルバトワールによって違うみたいだけど、
15区は、1年生から3年生まで一緒のクラスで行う。
月曜日は、朝からみんなで朝ごはん。
クロワッサンを一緒に食べる会というのがありました。
授業は10時からだけど、
基本的に9時からきて1時間『プチ先生』という、生徒によって行われる授業がある。
やりたい人が、ワークショップを行う。
それにしても、みんな若い。
基本的に高校卒業した年だから、一番下は1994年生まれ…!!
衝撃。
はじめて、年を感じました笑
ちなみに、わたしは、最年長なので、
絶対、みんなに、気を使わせたくない一心で、
今までにないやる気と積極性を見せています(笑)
そんな、一週間。
モチベーションが高すぎて、眠れぬ夜を過ごしています。