現代の生態系危機と近代の植民地史の関係を探求する研究者、Malcom Ferdinand氏の著書『Decolonial Ecology: Thinking from the Caribbean World』にインスパイアされた本日のイベント。
(https://fta.ca/en/event/decolonial-ecology-day/)

この本では、環境危機の解決には、植民地主義や帝国主義から受け継いだ社会的・人種的不平等を考慮に入れなければならないと主張されている。イベントのプログラムのひとつ、サーミのアーティストElle Sofe Sara とイヌイットのアーティストLaakkuluk Williamson Bathoryの対談を聞きにいきました。アーティストであり、母親でもあり、そして、自然と共存する先住民の血を引き継ぐ彼女たちの女子トークは非常に魅力的だった。

© Vivien Gaumand
後半、会場に質問が開かれた時、イヌイット族の男性が、あえてイヌイット語で質問し、続いて、自身で英語に翻訳した。登壇していたイヌイットのアーティストBathoryさんも、イヌイット語で応答し、自身で英語に翻訳した。おそらく、会場でイヌイット語が分かる人は、彼ら二人だけだったと思う。それでも、公共の場で、あえて独自の言語を用いて質問し、彼女も独自の言語で応答した。全身が震えるような体験だった。
カナダ統計のデータによると、先住民の若者の自殺率は非先住民族の若者より5~7倍高く、イヌイットの若者の自殺率は全国平均の11倍で世界でも最上位に入る。(TORJAサイトより:https://torja.ca/native-canadian/)
自身の文化や言語を恥じる気持ちを抱える次世代の存在のうえに、あえてその言語を社会に響かせる行為に、どれだけの勇気を有するのだろう。芸術作品を超えた、芸術的な瞬間に立ち会った、と感じた。
それにしても、モントリオールのエコ意識は相当高い。近所のスーパーは、瓶を洗って返しにいかないといけないし、若者は、古着屋で服を買うことが多いらしい。私も、劇場通いの合間に、古着屋に行って、ファストファッションの店では絶対お目にかかれないような超可愛いワンピースをゲット。
