自信がなくなる時の6割は生理のせいにしよう。

無事、2ヶ月半に及ぶ教職研修を終了し、パリの自宅に帰宅。

来年からは、めでたく実地での教育実習に駒を進める。

コロナ禍では、日本の自宅でぬくぬくと過ごしていたので、ハードな環境に耐えられるかビクビクしていたが、自分でも自分を褒めてあげたいほどやり切った。

最大限に主観を取り除いて、今回の勝因を確実にふたつあげることができる。

一つ目は、実技でも理論でも、自己紹介、発表、発言、質問は、すべて一番に答えるという謎の目標を立てたこと。

二つ目は、生理がなかったこと。

まあ、なんだかんだフランス演劇生活9年目の功も多少はあると思うが、具体的にあげるなら上記の二つの要因は大きい。

まず、「一番に答える」ということに関して。

おそらく渡仏してから9年の間、言葉の問題もあり、私が、学校のクラスや、創作の現場において、一番に発言するということは、数える程しかなかったと思う。

最初は、質問の内容がわからなかったりして、周りの人の答えを聞きながら理解しようとしていた。

場にそぐわないことをいってしまうことも怖かったので、「言わぬが花」ということで、まわりの反応を伺ってから、自分の意見をいうことが常だった。

わからないことがある時も、他の人全員がわかっているのに、自分が質問したら、みんなの時間の無駄になると思って質問を飲み込んだことも多々。

ただ、今回は、30代の厚かましさからか、「えいや!」と、精神論は抜きにして、具体的に「全部一番に答える」という目標を掲げた。

いつのまにか、週に2回は新しい講師がやってくる環境で、自己紹介はいつも私から。

質問や異議を唱えるのもいつも私。3週間後には、いつのまにか、クラスの「ご意見番」化していた。

数人の先生には、さぞかし「めんどくさい外人」と思われていたことだろうと思う。

「めんどくさい外人」「めんどくさい俳優」上等!

私がめんどくさくあるということは、クラスの学びに貢献しているということでもあるのだ。

(10年前は絶対にこんなふうには考えられなかった)

実際、ある講師と軽く喧嘩になった時、案の定クラスメートにお礼を言われたこともある。

初めてフランスにきた時は、本当にクラスで一番素直で、微笑みを絶やさない真面目な日本人だったな。懐かしい。

そして、二つ目は生理がなかったことに関して。

私は、6ヶ月前から子宮内膜症の薬を服薬していて、排卵を止めているため、生理がない。

子宮内膜症は、現在30代以降の女性に非常に増えている病気で、フランスでは10人に一人が抱えているそう。

子宮内膜症が原因でできる「チョコレート嚢腫」という病気は、

卵巣にできてしまった子宮内膜症が毎月の生理のたびに出血し、

卵巣内に血がたまってしまい、嚢腫ができてしまい、不妊の原因にもなる。

要するに、子宮内膜症というのは「子宮内にあるはずの膜が他のところにできてしまう症状」のこと。

女性の出産時期が遅くなっていることで、人生で生理がやってくる回数が単純に増えているということも原因の一つと言われている。

「チョコレート嚢腫」の場合、治療法として、服薬、もしくは、手術が考えられるが、

服薬の場合、ピルを飲んで排卵を完璧に止める。

フランスでは女性の33%以上が内服しているという低用量ピルの場合、出血期間が短くなり、月経量も減るものの、生理自体はなくならない。

月経痛や月経前症候群(PMS)も軽くなるとはいうものの完全にはなくならない。

しかし、「チョコレート嚢腫」で処方されるピルは完全に排卵及び生理をストップさせる。

生理がなくなってみて初めて、いかに生理に苦しめられてきたかということを思い知った6ヶ月だったのである。

まず、必ずと言っていいほど、月に一回やってきていた理由のない悲しみと自信の低下が訪れない。

もちろん自信がなくなる日や絶望する日があっても、どこを解決すればいいのかがなんとなく分析できるので、割と冷静に対処することができる。

生理痛で、ベットから起き上がれない日もないし、とにかく精神が安定しているのである。

男性はこのように日々過ごしていたのかと思うと、正直、上に立つ人間に圧倒的に男性が多いという現実も納得してしまう。

そして、生理のない生活を体験しなければ、女性は一生、月に一回悲しくなったり無性に自信がなくなったりする原因が生理にあるのだということに気づくことはない。

ただ、自分の能力のせいだと思うだろう。

だから、私は、自分の個人的な話を持ち出しても、女性が理由もなく自信がなくなる時の6割は生理に原因があると伝えたい。

そして、生理、及び問題は、人類存続のためにも、男性と女性が一緒に考えていくべき問題であると切に思う。

前にも、このブログで紹介した『禁断の果実 女性の身体と性のタブー』は本当におすすめ。

『生理中の舞台出演(裸)での愉快な裏話』

https://mill-co-run.com/2019/12/17/%e7%94%9f%e7%90%86%e4%b8%ad%e3%81%ae%e8%88%9e%e5%8f%b0%e5%87%ba%e6%bc%94%ef%bc%88%e8%a3%b8%ef%bc%89%e3%81%a7%e3%81%ae%e6%84%89%e5%bf%ab%e3%81%aa%e8%a3%8f%e8%a9%b1/

子宮内膜症の本で読んで、心にずっと残っていることがある。

生理は大風邪と一緒。大変な風邪を引いたら、みんな家族や職場に伝えて休ませてもらうのに、生理は我慢するものだと思い込んでいる。数日間、血を流しているなんて、身体への負担は大変なもの。職場にいうのは、さすがに難しくても、しっかりと家族やパートナーには伝えること。そして、気遣ってもらって当たり前のこと。

私は「生理がない」を経験したことで、「生理」が身体や精神に及ぼす影響を身を持って知ったので、少しでも、生理のせいにして、気持ちが軽くなる人が増えたらいいなと思う。

初めてフランスで性について扱った作品を作ったのも生理だった。

初音ミクの「女の子には生理があるの歌」で、生理のダンスを作って発表した。

女の子に生理があるのは
いらない卵子を外部に出すため♪
男の子の精子が飛び出す
子どもにつながる受精卵〜♪

もっともっと生理について気軽に話せる世の中がやってきますように!

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