フランス人の中で、私がフランス語担当?! vol.1

先週の金曜日は、
私の通っているCRR(conservatoire à rayonnement regional de paris)で行われた、
”Trans’Fusion”という企画に参加しました。
CRR(http://crr.paris.fr/CRR_de_Paris.html)には、音楽、舞踊、演劇の3つの分野に別れているのですが、
同じ学校だからといって、
他分野の人と交わることは、滅多にありません。
ということで、
音楽、舞踊、演劇の垣根を超えて、
trans- (横切って、超えて、向こうへ)
la fusion(溶解、融合、合併)
してしまおうという企画。
ルールは、ふたつだけ。
二人以上のグループで、
2種類以上の分野から構成されていること。
第一回目の”Trans’Fusion”のテーマは、
『赤と黒』
さすが、フランス人、
真っ先に上がったのは、
スタンダールの小説『赤と黒』
私は、タンゴを連想した、ミュージシャンのグループに誘われて、
参加することに。
ピアノ1人、声楽2人、
そして、
私、「演劇担当」
CRRの音楽科は、
かなり多国籍で、
日本人はもちろん、アジア人の生徒がたくさんいることで、
有名なのですが、
このグループは、私以外全員フランス人。
しかし、「演劇担当」として、派遣されている私は、
もちろん、演技を求められる。
タンゴのテーマをもとに、
役者の友達と一緒に書いたテキストを提案したのですが、
もちろん、私が読むことに。
フランス語のテキストを、
フランス人を差し置いて、
読むことに、ついつい違和感を感じてしまいました。
例えば、演劇公演の場合、
発音にハンデがあるなりの
ひとつの「役」として、創造してきたのですが、
他分野のアーティストと関わることによって、
どうしても、
ミュージシャン=音楽
ダンサー=身体
役者=言葉
という意識が、それぞれの中に存在していました。
悩んでいても、しょうがないので、
今までは、
自分のアクセントと作品の中でどうつき合っていくかということが、
課題だったのですが、
とりあえず、
いかに、フランス人の発音に近づけるか、
いかに、言葉を観客に伝えられるか、
ということに挑戦してみました。
個人レッスンを受けている、
音声学の先生と、
感覚ではなく、学術的に特訓。
学術的にとは、どういうことかというと、
現在25歳である私に、
子どもが耳から自然に覚えていくような生易しい効果以外の、
方法で、身体はもちろん、
頭も使って習得するということ。
簡単に言ってしまえば、
25歳を過ぎて、
10年これから、フランスに住んでいたとしても、
意識しない限り、
発音の向上には、限界があるということ。
まずは、
それぞれの母音の発音と口の形の研究からはじめて、
次に、文字と結びつけていく。
そして、あとは、ただもう繰り返すだけ。
今まで、
いかに自分が、
外国人であること、アクセントがあることに甘えて来たか、
思い知らされました。
そもそも、
演劇は、
音楽、舞踊と比べても、
最もプロフェッショナルとアマチュアの境が曖昧な芸術で、
「基本のテクニック」というものに対する考え方なしにも、
成立する分野だと思います。
甘えにも、武器にもなる、
「個性(パーソナリティ)」という言葉が、
演劇には、存在するから。
ただ、先日、
「テクニックの上に成り立つパーソナリティ」と、
「テクニックなんて気にしないパーソナリティ」
と、どっちがいいのか。
最近、たまたま、
「テクニックの上に成り立つパーソナリティ」の、
完全なる勝利に出会ってしまったのです。
(vol.2に続く。)

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