「解釈」の実演販売

座・高円寺「劇場創造アカデミー」演技基礎Ⅰ、全6回の授業が無事終了しました。俳優にとっては、非常に「やった感」のないエクササイズの連続だったと思います。台詞を使った演技は一切やらず、語ること、見ること、見られること、他者と協働すること、話し合うこと、提案すること、フィードバックすること、に留意した授業でみんなが最後までついてきてくれるのか、非常に不安でしたが、少しずつ信頼関係が築けたかなと思います。一貫性を持って何かに取り組むこともとても大切だけど、他者と協働する時、他者の発言や存在に影響され、変わっていくことも、とても素敵なことだよ、ということが伝わっていれば嬉しいし、多分伝わっていると思います。他者の存在によって、自分に起こるミラクルをみんなが受け入れ始めた最終日、たくさんのドラマティックなことが起こりました。市原佐都子『妖精の問題』第一部「ブス」のテキストを使って、4チームに分かれて、上演方法の提案を「ジャパネットタカタ」風にやってもらいました。わたしが大好きな、「解釈」の実演販売というエクササイズ。30分で、素晴らしい実演販売が生まれ、衝撃を受けました。特に、フェミニズム色が非常に強いこの作品に、男性陣が燃えていたことが印象的でした。わたしたちが2017年に初演した当時はなかったアイディア、SNS、アバター、など、俳優以外を使って上演するという提案も非常に面白かったです。『妖精の問題』が持つエネルギーは、現在も不滅で、若い俳優たちが触発され、創造性が爆発した瞬間に立ち合わせてくれて本当にありがとうございます。

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