豊岡演劇祭2021フリンジ:『しおりの部屋』 (第一弾:ドイツ・フランス編)

豊岡演劇祭中止に伴い、以下のイベントは中止となりました。すでに予約をしてくださった皆さま、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。(2021,08,20)
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みなさん、こんにちは。竹中香子です。
普段は、フランスで演劇をやっています。
78歳のイタリアの哲学者ジョルジオ・アガンベンは、
コロナ禍での発言により、大炎上を起こしたひとりです。
アガンベンが言及した二つの懸念は、「死者の権利」と「移動の権利」を剥奪されること。
まず、死者が葬儀の権利を持たないことに対して苦言を呈しました。
そして、「移動の権利」の制限に関して。
アガンベン曰く、「移動の自由」は単に数ある自由のうちのひとつではなく、
苦難の末に勝ち得られた権利であり、
近代が権利として確立してきたさまざまな「自由の根源」にあるそうです。
つまり、「移動の自由」を制限されることをみとめてしまうということは、
大袈裟ではなく他の自由も失う可能性がすくそばに孕んでいるということ。
舞台芸術には、人を「移動させる力」があると私は信じていて、どんな形であれ、「移動の自由」を守るアクションをしていきたいと思っています。
国境をまたぐ移動はまだまだ制限されていて、海外の舞台作品を観る機会は激減しましたが、「劇場に行く」という自由を守るために、日本同様、海外でもさまざまな取り組みが行われています。
今回は、「MCしおり」として、豊岡高校放送部の木下栞さんにホスト役を引き受けていただき、海外を拠点に舞台芸術の分野で活躍するアーティストをゲストに迎え、オンラインミーティング『しおりの部屋』を開催します。
竹中香子
【MCしおりからのメッセージ】
豊岡高校3年、放送部所属の木下栞です。 生まれも育ちも豊岡市日高町です。 中3で演劇に興味を持ち、今年3月に平田オリザさんが運営されている演劇私塾『無隣館』を卒業しました。舞台の裏方の仕事に興味があります。演劇や映画を観ることが好きです。どうぞよろしくお願いします。
木下栞
【日時】
2021年9月12日(日)15時〜17時 ウィズコロナ時代の舞台芸術ぶっちゃけどうなの編
2021年9月19日(日)19時〜21時 パフォーマーが選ぶ各国の今一番熱い舞台芸術人紹介編
*各回とも、15分前よりZOOM設定の案内開始。不安な方はお早めにお入りください。
【料金】
無料
*googleフォームよりご予約ください。 https://forms.gle/kQE5cA24ff2NvUJK7
*チケットの予約は各日とも開演1時間前までとなっております。
*定員となり次第予約終了いたします。
【対象】
– 海外での舞台芸術に興味がある。
– 実際に海外で舞台芸術に関わってみたい。
– コロナ禍における各国の舞台芸術界での対応が知りたい。
– 演劇やダンスが好き!
– 旅が好きなのに、なかなかできない!
【参加方法】
オンラインミーティングツール(ZOOM)を利用したワークショップミーティングです。チケット購入者には、ご登録のメールアドレスに参加リンクをお送りします。
*事前にZOOMアプリのインストールをお願いいたします。
https://zoom.us/download
*開始時間15分を過ぎてのご参加はできません。あらかじめご了承の上ご予約ください。開始時間5分前までのご集合(ZOOMミーティングへの参加)へご協力をお願いいたします。
【ゲスト予定者】
原サチコ(ドイツ、スイス在住・女優)
菅江一路(ドイツ在住・ダンサー)
加藤野乃花(フランス在住・ダンサー)
木下栞(MC)from 豊岡高校
竹中香子(アシスタント)
【参加者プロフィール】
原サチコ Hara Sachiko
1964年神奈川県生まれ。上智大学外国語学部ドイツ語学科卒。1984 年演劇舎蟷螂似て初舞台、後に「ロマンチカ」に所属。1999 年ドイツの鬼才演出家クリストフ・シュリンゲンジーフとの仕事をきっかけにベルリンへ移住。2004年東洋人として初めてオーストリア国立ブルク劇場の専属俳優となる。以降ハノーファー州立劇場、ケルン市立劇場、ハンブルク・ドイツ劇場に専属俳優として所属。16年間に渡り、ドイツ語圏演劇界において日本人として唯一の劇場専属俳優として活躍中。ドイツ演劇界トップの演出家達(ニコラス・シュテーマン、ルネ・ポレシュ、クリストフ・マルターラー等)に愛され、ドイツでの出演作は60本を超える。井上ひさし作「少年口伝隊一九四五」のドイツ語訳、ヨーロッパ初演、演出も手がける。2011年より広島原爆の記憶を現在と結ぶプログラム「ヒロシマ・サロン」を主催。ハンブルクでは姉妹都市大阪をアピールする「オオサカ・サロン」を主催。現在ハンブルク・ドイツ劇場(Deutsches Schauspielhaus Hamburg)所属。日本帰国の際は、ドイツ演劇作品の日本語リーディング、講演、ワークショップ等も積極的に行っている。
菅江一路 Sugae Ichiro
1990年生まれ。兵庫県西宮市出身。 大学在学中にダンスを始める。青木尚哉、平原慎太郎らに師事。2011年から3年間Noism2に在籍。金森穣作品を始め、山田勇気、稲尾芳文らの作品に参加する。2014年Noism2の退団を機に東京を拠点に移す。平原慎太郎率いるOrganWorksを中心に、岡登志子など様々な振付家と仕事をする。2016年スペインの演出家アンジェリカリデルの「Que hare yo con esta espada?」に参加。アヴィニョンフェスティバルを始め、イスラエルフェスティバル、ベルリンシャウビューネ劇場などで上演する。この仕事を機に2016年から拠点をベルリンに移し、ヨーロッパでのフリーランス活動を開始する。 これまでにルイホルタ、ヘレナヴァルドマン、サーマガール、サジュハリなど様々な振付家・演出家と仕事をする。 現在はアンジェリカリデルの「Una costilla sobre la mesa: Madre」のツアー中である。 エマニュエルガットの新作「LoveTrain2020」を10月にモンペリエにて初演予定。
加藤野乃花 Kato Nonoka
1986年生まれ。福岡県出身。6歳より神崎バレエスタジオでクラシックバレエを始める。1996年、田中千賀子ジュニアバレエ団に入団。2001年、全国バレエコンクール in Nagoya第1位。 2003年、フランス国立マルセイユバレエ学校に留学。2006年から現在までフランス国立マルセイユバレエ団に所属し、Fréderic Flamand、Emio Greco & Piter C.Sholten、コレクティブ(la)Hordeの三代のディレクターのもと多様なスタイルの作品を踊る。フランス政府認定バレエ教師国家資格取得。クラシックバレエがベースのコンテンポラリーダンサー。
竹中香子 Takenaka Kyoko
1987年生まれ、埼玉県出身。2011年、桜美林大学総合文化学群演劇専修卒業。2013年、日本人としてはじめてフランスの国立高等演劇学校の俳優セクションに合格し、2016年、フランス俳優国家資格取得。パリを拠点に、フランス国公立劇場の作品を中心に多数の舞台に出演。Guillaume Vincent演出作品に多く出演する。第72回アヴィニョン演劇祭、公式プログラム(IN)作品出演。2017年より、日本での活動も再開。一人芝居『妖精の問題』(市原佐都子 作・演出)では、ニューヨーク公演を果たす。日本では、さまざまな大学で、自身の活動に関する特別講義を行う。2020年より、カナダの演出家Marie Brassardとのクリエーションをスタート。2021年、フランス演劇教育者国家資格取得。現在はスイスのTheater Neumarkt主催作品に参加。
主催:竹中香子
提携:豊岡演劇祭実行委員会
豊岡演劇祭2021 / Toyooka Theater Festival 2021