先週末に行われたフランス大統領選で、選挙権がないということが、いかに悲観するべき事実かということを思い知らされた。フランス国籍を所有しながら、国外で生活している友人たちは、この日のためにフランスに戻った。同世代の仲間の間でも、話題は選挙で一色。途中まで、選挙権がないから関係ないと思っていた私も、じっとしてはいられない空気に選挙に関する記事を読み漁り始めたら、これまたハマる。それぞれの立候補者のマニフェストがわかってくると、それぞれの支持層が知りたくなる。支持層がわかってくると、現在のフランスの現状が見えてくる。
例えば、facebookで友達になっている層というのは、ほぼ自分と同じ現状を共有している人たちが多いので、友達が何千人といたところで、社会の分布は見えてこないのだという当たり前のことに気づいた。日本の選挙の時も、今回の大統領選でも、自分のfacebookのフィード上には、自分と同じ支持者を掲げている人で染まっているのに、結果が出てみれば、自分たちが、いかに少数派であったかということを思い知らされる。
以下は、地理学者のPierre-Marie Chapon氏が、若者たちに向けて送ったメッセージ。政治は、一晩では変わらない。2022年の大統領選に向けて、闘うことをやめるな、極右の波にのまれるな。
http://www.liberation.fr/debats/2017/04/27/lettre-a-la-jeunesse-insoumise_1565694
運命のフランス大統領選2次は5月7日。また、この日のために、たくさんの人たちが自らの選挙権を行使するために地元に戻ってくる。私たちが、おそらく、もう一度肝に銘じなければいけないのは、選挙は大人のためのものではなく、「若者」のためのものだということ。現在ではなく、未来のためのもの。選挙を行使している世代の大人たちに、任せておくなんて滅相もない。
今の自分の現状に不満があるのは、もしかしたら、自分のせいではなく、自分が属する社会のせいかもしれない。
それでは、そんな社会をどのように変えればいいか。
他者、もしくは、自分の外の環境を変えるということは、
自分を変えること以上にエネルギーと時間を要求されること。
それでも、未来を考えるなら、
年を重ねるということは、
自分の外に向けて、自分が蓄えてきたエネルギーと時間を放出していくということだと思う。