フランス語から学ぶ俳優の喉の温め方。

おととい、来週から始まるオデオン座公演に向けて、

予約の取れないボイストレーナーによるプライベートレッスンを、

カンパニーから、俳優15人全員にプレゼントされる。

しかも、レッスン会場は、オデオン座のレッスン室。

スタジオの壁には、モリエールの戯曲の登場人物たちの肖像画が飾られていたりして、入っただけでちょっと感動して泣きそうになる。

IMG_3150.jpg

 

自分の復習のためにも、レッスン内容を紹介。

主に、公演前に毎回行なう、喉と声帯の温め方を学ぶ。

 

まずは、ストロー呼吸。

腹式呼吸のレッスンで、よく「細く」「長く」「一定に」息を吐くと言われるけど、

実際やってみると「細く」「長く」「一定に」息を吐けているのかを自分で判断するのは難しい。

そこで、登場するのが、ストロー。

ストローの先を軽くつまんで、空気の通りを細くして、

息をゆっくりストローから吐ききっていく。

ストローは、フランスでは割と一般的なトレーニング方法なのか、どこの現場でも、割とストローを使って喉を温めてる人をよく見かける。

 

次は、発展ストロー呼吸。

先ほどと同じ要領で息を吐きながら、ド・ミ・ドのメロディーでハミングする。

徐々に音階を上げていく。

ここでは音を出すというよりも、身体に小さな振動を響かせていくイメージ。

ストローを持ってない方の手で、ストローの先から、息が一定に出つづけているか、最初のうちは確認するといいかも。

 

お次は「ヴ」呼吸。

日本語には存在しないVの音が、実は発声にはとても効果的。

上の歯が軽く下唇に触れてる状態で発声する「ヴ」。

必然的に、息を吐き続けることを意識しながら、声(音)を出すことになるので、結果的に、一番喉に負担のかからない理想的な状態となる。

こちらも、先ほどと同じで、ド・ミ・ドのメロディーで行なう。

身体も一緒にほぐしていくため、「ミ」の時に、膝をまげて、一旦下まで上半身ごと下がって、また立っている状態に戻ってくる。

音程が変わっても、呼吸はストロー呼吸と同じ要領で一定を保つように。

 

ここからは、主にフランス語を発声するために必要な口の中の空間を作っていく作業。

ただ、大は小を兼ねるので、日本語の発声にも絶対有効なはず。

大は小を兼ねるというのは、

そもそも日本語は、水平的言語であり、広角を横にひっぱる動きが多い。

よって、口の中に大きな空間がなくても、割ときっちりと発音することは可能。

それに対して、フランス語は、前後、上下の言語。

唇の前後に加えて、広角を上下に広げる動きが多い。

つまり、日本語にあまり必要とされない、あごを下に下げて、口内に空間をつくるということが重要になってくる。

5年間、めちゃめちゃお金のかかっている私のフランス語の発音でも、

録音して聞いてみると、その違いは明らかで、なんだかべちゃっとした印象が残るフランス語である。

 

鼻濁音でガンガンガンガンガン。

鼻濁音で丸み帯びた「ガン」のおとで、ド・レ・ミ・レ・ドの音階で喉の奥を広げていく。

あごを動かして音を出すのではなく、

少し下げた状態で、両手で軽く押さえてストッパーをかけ、

喉の奥だけで、ガンガンガンガンガン♪と音を出していく。

うまくいくと頬骨のあたりがよく響く。

 

お次は、ガンの時の喉の空間を保ったまま、

フランス語のイエスの発音。

oui oui oui oui oui ♪

日本語の「ウイ」よりも、ウで唇を前に突き出し、イで後方に引く。

平面の感覚ではなく、前後・上下・左右と3Dの感覚を持つ。

 

最後の仕上げで、「ヴ」発声。

「ヴ」呼吸と同じ要領で、

ド・ミ・ドの二音目、つまり、ミの途中から「オ」に切り替える。

ヴー・ヴオー・オー♪

 

この時に声は、首の後ろから、頭のてっぺんを通って自分の前方に進んでいくイメージ。

 

この過程を通ってから、フランス語の台詞を言うだけで、

口の中も、体全体も、

2倍くらい空間ができた感じ。

前後、特に後ろ、

そして、上下、特に上の感覚を持つのが、

日本人の身体感覚的には苦手かなという印象。

西洋人にしてみれば、「腹(ハラ)」の感覚とか、「地(下半身)」の感覚が弱いわけだから、

それは、お互い様。

ただ、最初っから持ってない部分は訓練して持っていけるようになっていけばいいだけ。

 

欲をいえば、もうちょっと早くこのレッスンしてほしかったなあ、と心の中で思いつつ、

もう一生入れないかもしれない、

オデオン座の関係者以外立ち入り禁止ゾーンを後にしました。

 

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さて、楽屋の中で、ストロー片手に、訓練、訓練。

 

 

 

 

 

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