ダンサーにとってのバーレッスンは、俳優にとっての何か?

学校を卒業して半年、そろそろ俳優として生活していく上での新しいリズムを見つけていく時期になった。

現在、私は、公共劇場のプロダクションである作品に関わっていて、その公演の本番が、1週間に3日程度地方で行なわれている。

そのほかに、自分が主宰しているプロジェクトがあり、こちらの作品の方を一緒に創っている演出家と年末に話したことが、頭から離れない。

俳優の学校が、俳優に一番教えるべきことは何か?

この問いは、実際に、学校に入って、卒業し、俳優として、一旦社会に出たものに、自ずと突きつけられる問いである。

彼自身、スイスで、演出の学校を卒業し、今は、フランスの国立演劇学校で、演出家として招かれて、学生と作品を創ったりしているのだが、テクニック的なことを教える気はないという。

学校にいる時は、常にやることに追われて、一番理解できないけれど、常に念頭に置いておかなければいけないことは、

卒業後、在学時に過ごしているようなクリエイティブな空間を自分でオーガナイズしない限り、仕事以外で与えられることはないということ。

つまり、仕事がない時間、どのように自分を身体的にも精神的にもトレーニングし続けられるかにかかっているということ。

フランスの国立演劇学校を卒業したあと、一握りの人間は、アンテルミッタンスという国からの補助を受けながら俳優を続けることができる。

ただ、このアンテルミッタンス受給者の場合、日本で俗にいうアルバイト的な仕事をすると次の更新の時のマイナスになるらしいのである。

例えば、職安で仕事を探す時に、レストランやカフェで働くカテゴリーと俳優というカテゴリーが分かれているため、両方を同時に施行することは、不利になるらしい。

ということは、「俳優」を職業として生活しているものにとって、少なからず、「暇」な時間が生まれる。

実際、私の場合、公演日の前後を挟んで週に4日から5日はパリに以内にしても、週に3日から2日は完全に自由な時間が約束される。

2月には、1週間まるまる時間があくときさえある。

この「暇」をどう使うか?

「暇」をどう自分のものにするか?

そこで、演出家に言われたのが、ダンサーにとってのバーレッスンに値するものを、まずそれぞれの俳優が見つけるべきだということ。

本番があるなしにかかわらず、踊るために適切な身体を維持するためのトリーニングが、演じるもののためにもあるはず。

学校在学中に、ひとりひとりが最優先に見つけなければいけないのが「暇」の過ごし方。

私の場合は、いろいろ試したけれど、ヨガは必須。

それに加えて、もともと弱い喉の筋トレ。

あとは、クリエイティブな頭を保つために、3つくらいの場所で、別々の文脈でできた仲間たちと、お題を出してテキストを書きあったり、シーンをつくってみたりということを定期的に始めてみた。

しかし、これは、すべての社会人に共通することだと思うけれど、お金に結びつく活動がありながら、非営利な活動を、しかも、自分のために施すというのは、思ったよりも困難で、強靭な意志を必要とするものであると気づいた。

本番がない時くらいダラダラしていたいけれど、やはり学校にいた時の常にクリエイティブな空間に置かれていた身体と頭が恋しいのである。

私たちの職業に永久雇用はない。

この現実をプレッシャーに感じることなく、気楽に、そして気長に付き合っていくためにはどうしたらいいか。

結局、職業って、それ自体に向いてるか向いてないかは別として、その職業における生活のリズムが自分に向いているかいないか、そのリズムの中で力が発揮できるかできないかだと思う今日この頃。

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