ノスタルジーはおいといて、就活始動。

まだ、時間を語れるような年齢には達していませんが、
時間が経つのは早いもので、
2年生最終スタージュ&公演を終え、
学校では、来週から、新一年生の受験が始まります。
フランスに来てからの2年間は、
私も、フランスに11校ある、
フランス国立演劇学校受験戦争に、
完全に飲み込まれていました。
今、当時書いたブログを読み返しても、
胃が痛くなるほど、
この「受験」は壮絶だった。
フランスの場合、
国立の学校に入学できないと、
どうしても、俳優として公立劇場の仕事に、
アクセスしづらくなるので、
国立演劇学校を卒業しているかしていないかで、
良くも悪くも、俳優としての将来が左右されてしまう傾向があります。
学校によっても、差はありますが、
基本的に、2年に一度、もしくは3年に一度、
約12人の枠を競って、
500人から800人、
国立コンセルバトワールやストラスブールともなると、
30人の枠を2000人近くの受験者が争うことになります。
私たちの学校の場合、
受験が2年に1回行われるので、
今年1年間、11人だけで過ごした、
私たちにとっては、
待ちにまった新1年生。
たくさん落ちて、
いつのまにか、
受験の達人になっていた私は、
受験を控えているフランス人の友人に、
試験で発表する戯曲を相談されるほどになりました。
夏休みが終わったら、
とうとう「上級生」になる。
そんなうきうきな気分に浸る間もなく、
スタートを切ったのが、
「就活」
私の場合、
滞在許可証(ビザ)を、
卒業とともに、
学生ビザから、アーティストビザ(Compétences et talents)に、
変更しないとお金を稼ぐことができないので、
みんなより、
人足はやく、4月末から、
就活モードに突入。
まずは、
CV(履歴書)をフランス語、英語、日本語、
3ヶ国語で作成。
ベストとしては、
俳優として、プロダクションに関わっていことと、
企画者として、個人のプロジェクトを持つこと。
このふたつを並行していくことが、
人脈を広げることに大きく繋がることを発見。
自分のプロジェクトを持っていることで、
他人(演出家)に、自分の話をするきっかけを持ちやすくなる、
そこで、オーディションとはまた違ったやり方で、
対等な関係性が生まれる。
今年に入ってから、
企画を思いついたら、
とりあえず、企画書をつくる癖がついたので、
最初は、語学的にも、構成的にも、
ぼろぼろだった書類も、
だんだん形になってきた。
なんと、先週書いた、
9月に私がリーダーとなって行われる、
ドキュメンタリー映画の企画書は、
学校の報告書の一例として、
フランスの文化省に提出されるそう!
なんと!
学校側としても、
卒業とともに、
全員が失業保険制度(Intermittent du spectacle*)に登録できるように、
カリキュラムを組んでくれているけれど、
ひとりひとりのビジョンを、
今の段階から、校長に対して、
クリアにしていくことが、何よりも大切。
それにしても、
11人しかいないだけに、
手厚い対応。
フランスの公共劇場の場合、
毎年、5月くらいに、
翌年の年間プログラムが発表されるので、
プロダクションとの契約も、
公演の1年前が基本。
あと1年は、
学校がマネージメントを兼ねているようなものだから、
「就活」も常に、
二人三脚。
実際、フランス国立演劇学校の卒業生の中にも、
ユーロ圏外の生徒は、
何人かいて、
ただ、卒業後にビザを切り替えられるかが、
大きな関門になっている。
中には、止むを得ず、帰国した生徒もいるそう。
(ただ、一言で言ってしまえば、
学費が無料なので、
外国人にまで、
税金で3年間勉強させてくれて、
その後、フランスに何も還元しないで、
自国に帰らせちゃったら、
その方がもったいないでしょう!と思う。)
受験の時は、
入学することだけが目的で、
年齢制限の25歳までにダメだったら、
帰国すると決めていた。
ただ、私たちの「就活」には、
年齢制限も、合否もないので、
やりたいことを、
やりたい場所で、
できるように、
あと1年どこまで可能性を広げていけるかが勝負だと思う。
ということで、
まずは、
語学レベルをきちんと証明できるように、
来週は、 DELFの試験。
Intermittent du spectacle:
*舞台芸術に関わる仕事は、定期的ではないので、
約10ヶ月の間に、507時間以上の契約があれば、
生活費が保証されるというもの。

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