誰にもわかってもらえないけど、今日からは新しいわたし。

ひとつの経験を通して、
自らの変化を感じる時(内)と、
世界の変化を感じる時(外)が、
存在する。
今回のスタージュが始まる前の、
一ヶ月前に見ていた景色を、
おそらくもう見ることはないのだろうと思う。
外の世界と自分がどうコミットしていくかという問いを、
社会人として研ぎすましていくことで、
表現媒体(自分自身)を高めていく、
モチベーションが保たれていく感覚。
自分が変わらなくても、
世界は変わる。
世界が変われば、
自分も変わる。
いま、目に見えているものに、
新たな視点を与えること。
そして、「見えてしまうもの」を創ること。
このシンプルなようで、
時として、
革命的な力を発揮するアーティストたちの仕事に、
とてつもなく影響を受け続けた30日間。
と、同時に、
自分のl’instant(直感)にしたがって、
琴線に触れるものを、
Le discernement(判断力)とともに、
突き詰めていく。
1970年にカントにより刊行された哲学書、
Kritik der Urteilskraft(『判断力批判』)は、
今でも、芸術理論に大きな影響を与えている。
この本の前半部「美的判断力の批判」で、
カントは、
「趣味」判断の分析というものを行っている。
ここでいう「趣味」とは、
hobbyではなく、tasteという訳で、
何かを美しいと感じる気持ちのこと。
彼によれば、
趣味判断は認識判断とは異なり、
対象の性質に左右されることがない。
しかし、
「共通感」という前提のもとでのみ、
趣味判断は可能なのである。
趣味判断は、共通感(我々の言う共通感とは、外感のことではなくて、我々の認識能力〔構想力と悟性〕の自由な遊びから生じる結果のことである)が存在するという前提のもとでのみ――いま一度言うが、かかる共通感という前提のもとでのみ、可能なのである。
(引用:カント(1790=1964)『判断力批判』、篠田英雄訳、岩波文庫.)

いわば、共通感とは、
他人と普遍化できる可能性の状態、
つまり、
非常にユニバーサルな状態と言える。
30日後、
世の中の美しいものたちに出会い続け、
2冊目のノートが終了する頃、
自分が「美しい」と感じたものを掘り下げながら、
自分が「美しい」と思う感覚で、
映像、写真を撮影し、
テキストと共に、
作品を創った。
先週扱った、
オートフィクション」という言葉を手がかりに、
どこまで、自分と親密な作品を創れるかを目指した。
自分にとっての「美しい」を探した。
ただ、振り返ってみると、
カントが言うように、
個人的な「美しさ」なんて、
存在しないのだと気づく。
主観的普遍性を前提に成り立つ、
「美しい」と感じる気持ち自体が、
「私」と「美しい」ものとの関係を、
「私」の中だけに、
とどめておくことができないのだから。
言葉にするのは、
とても難しいのだけれど、
映画を観るにしても、
本を読むにしても、
演劇を観るにしても、
ダンスを観るにしても、
音楽を聴くにしても、
このスタージュ以降、
やたら「広大」なのである。
どうしても、
「広大」なのだ。
広々とした ・ 広大無辺な ・ 限りない ・ どこまでも広がる ・ 無限の ・ どこまでも続く ・ 果てしなく広がる ・ 果てしなく続く ・ 広大無辺の ・ 広い ・ 広々の ・ 宏大な ・ 広漠とした ・ 茫漠とした ・ 雄大な ・ 芒洋とした ・ 広漠な ・ だだっ広い ・ 漠々たる…
自分の外に広がっていくことは、
自分の中に広がっていくこと。
自分の中に広がっていくことは、
自分の外に広がっていくこと。
極めつけは、
最終日に、取り扱った二人のアーティストだった。
パリの現代アーティスト:ジョルジュ・ルース
http://www.georgesrousse.com/
彼は、廃墟となった建物に、
カメラの視点からのみ完成する
絵を描き、記憶を封印していく。
震災後、宮城にて、
アートプロジェクトも行っている。
ジョルジュ・ルース アートプロジェクト in 宮城
<



あるひとつの視点によってのみ、
浮かび上がる形。
一歩でもずれたら、
もう何も見えない。
そして、もうひとりは、パブロ・ヴァルブエナ。
http://http://www.pablovalbuena.com/

N 520437 E 041900 [the hague city hall] from pablo valbuena on Vimeo.

スペイン生まれのアーティストで、
今は南フランスを拠点に活動している。
映像をミニマルに駆使しながら、
空間と時間を自由自在に動かしていく。
見えているもの、
見えていないもの。
見たいもの、
見たくないもの。
いろいろあるけど、
一番強いのは、
「見えてしまうもの」
無理して変わる必要なんてない。
無理して変える必要なんてない。
だって、
世界が変わるから、
わたしも変わる。

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