眼球の限界と、新プロジェクトのお知らせ。

果てしない興味と取り返せない怠惰のため、
いっこうに減らない、
必須映画リストと、
テキストの山。
1日1冊、戯曲を読み、
プロジェクションとコンピューターの画面を、
ほぼ1日中、眺め続ける生活を送った結果、
眼球に事件が勃発。
金曜日、コンタクトをとろうと、
トイレで鏡をみたら、
白目のところに、
直径1㎜ほどの真っ赤な血の固まりのようなものを発見。
失明するのかと思い込み、
貧血で倒れる。
子どもの頃、
パイプ椅子に指を挟んで真っ青になった時も、
歯医者でアルバイトをして、
自分の手に麻酔を誤って刺してしまった時も、
貧血で倒れた。
その結果、
『バトル・ロワイヤル』を読んだとき、
確実に一番最初に、
私が死ぬな、と思ったことを覚えている。
目の疲れにより、
充血が悪化したもののようで、
とにかく、睡眠を良くとるように言われる。
この学校には、救急車が、年に最低4回は来ると言われているので、
自分の健康には、
しっかりと責任を持つべきだと、
改めて身を引き締める。
先週は、毎日、
ひとつの話題に対して、
3時間に及ぶディスカッションが続いた。
演出家が一貫して、
言い続けたこと。
アーティストの仕事は、
世の中を、to reveal 明らかにしていくことであって、
to denounce 告発していくことではない。
つまり、より中立な立場を必要とするからこそ、
物事に対して、
徹底した追求を要する。
社会的な話題、
政治的な話題、
個人的な話題、
宗教的な話題、
ありとあらゆることがらを、
知る、
向き合う、
個人的見解、
他者との相違、
そして、
ディスカッション。
この繰り返し。
社会問題に疎い私には、
新鮮でもあり、
苦痛でもあった。
逆に、
家族や恋人の関係など、
自分にとっては身近なテーマが、
他の人の目には、
珍しく映ったりしたこともあった。
今回のスタージュの一番のテーマである、
ビデオカメラの役割も、
全く一緒。
「世の中を、to reveal 明らかにしていくことであって、
 to denounce 告発していくことではない。」
昨年観た映画の中で、
特に記憶に残っているのは、
東京国際映画祭グランプリ作品、
『もうひとりの息子』


そして、第66回カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作品、
『そして父になる』

新生児取り違え事件という、
同じテーマを持つ、
二つの作品。
イスラエルとパレスチナが舞台の、
『もうひとりの息子』では、
宗教や政治的な問題が浮き彫りになっており、
日本が舞台の、
『そして父になる』では、
焦点はぐっと個人的なところにあてられている。
家庭環境、子育ての方針、などなど。
この二つの作品を、
ほぼ同時期に観れたことは、
世界をみる上で大きな役に立った。
そして、
私が育ってきた環境というものが、
改めて、「当たり前」でも、
かつ、「特殊」なものでもなく、
無数の価値観のうちの一つなのだということを実感することができた。
日本と世界、
改め、
世界の中の日本。
日々、
自分の価値観とは、全く異なる価値観に出会ったり、
自分の関心とは、全く異なる関心に出会ったり、
自分の信じていたものが、崩壊しそうになったり、
自分と関係ないと思っていたものに、隣りにいる人の一番の問題だったり。
「揺らぐ」なかで、生きることは、
どうにも歩きにくくて仕方がない。
足下がわるい。
ただ、
「揺らぐ」ことなしには、
問うことを忘れてしまう。
疑うことも忘れてしまう。
そんなこんなで、
すこし、
「揺らぎ疲れ」を感じながらも、
揺らぎ続けることを怠らないように、
架空の個人団体、mill.co.runの新プロジェクト開始。
その名も、『理想と思想』
思わず目が離せなくなるような吸引力を持った「理想」と、
それを深いところから、がっちり支える「思想」を持った、
強度の高い「揺らぎ」力を持った作品に出会ったとき。
その「揺らいだ」感覚を、
覚えておくために、『理想と思想』と共に、
記述していくページをつくりました。
facebookをやっている方は、
参加してもらえたら嬉しいです。
mill.co.run新プロジェクト『理想と思想』
https://www.facebook.com/mill.co.run?ref=bookmarks

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