「赤」にみる、最近の一押し映画3選。

「赤」の取り扱い方がうまい映画は、
それだけで、いい映画のように感じる。
「赤」の発信力には、どこか凄まじいものがある。
おそらく、
それが、
「生」の色であり、
「死」の色であり、
そして、
「愛」の色だからであろう。
最近観た、
とっておきの3本の映画の「赤」も、
私の中で、
時間の経過とともに、
色あせるどころか、
ますます、鮮やかにうごめき回っている。
1作目。
先日、日本で公開になった、
映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』


スカーレット・ヨハンソン演じる、
美しすぎるエイリアンが、
余りにもナイーブな空気を漂わせながら、
自らの唇になでつける、
ルージュの「赤」
彼女は、この10年の間に、
40本近い映画に出演しているのですが、
毎回、イメージを完全に変えてくるため、
中盤まで、わからないことが多々。
ウッディー・アレン『マッチ・ポイント』のイメージが強かったからかも。

この人は、
人間が背後に漠然と背負っている過去さえも
変えることをやってのける女優だと思う。
この映画の恐ろしいところは、
完全に時間の感覚を歪ませしまうところ。
上映中、
良くないことだとはわかっていながら、
携帯を鞄の中でそっとつけて、
時間を何回も確認した。
確認せずにはいられなかった。
現実の時間感覚を保っていないと、
このままこの映画にさらわれて、
現実世界に戻ってこられないような恐怖に陥った。
スクリーンが、スクリーンの外にも、
少しずつ浸食して、
側面の壁までも、
スクリーンとなって、
いつのまにか、
映画館の出入り口さえも、
ぐるりと呑み込まれているんじゃないか。
そんな感覚に身体を危ぶまれながらも、
彼女のルージュの「赤」の美しさと、
とろりとした地面から、
一切目を離すことができなかった。
2作目。
映画『2つ目の窓』

ヤギの血を抜くシーンの「赤」に、
この映画の美しさは完全に凝縮されていると思う。
おそらく本物の血だったからだと思うが、
あそこまでスクリーンを通して、
血というものが、
生き生きと、
死よりも、生を感じさせている「赤」を発していたことを、
目にしたことはなかったであろうと思う。
なにもかもが「近い」島での生活。
人と人。
人と動物。
人と自然。
人と命。
そして、
人と死。
生きるということが、
こんなにもシンプルで、儚い。
なにしろ、
死ぬということが、
こんなにもシンプルで、儚いのだから。
それでも、私たちは、
人を愛して、
未来に目を向ける。
彼女のドキュメンタリー『玄牝 -げんぴん-』を思い出す。

一番シンプルな人間の行動、
人間の始まるところと終わるところに、
そっと寄り添い続けた、
河瀬監督な最新作だったと思う。
そして、3作目。
今年の第67回カンヌ国際映画祭において、
ゴダールに並び最年少で審査員賞を受賞した、
Xavier Dolan(グザヴィエ・ドラン)『Mommy』
まだ日本公開は決まってないようなので、
cinemacaféのページをリンクさせて頂きます。
http://www.cinemacafe.net/article/2014/05/28/23702.html

普段、俳優でもある彼は、
自分の映画に主演しているが、
今回は、彼の出演は3分くらいにとどまっている。

ケベック地方のフランス語なので、
フランス語なのに、フランス語の字幕がつく。
フランスでは、今週の水曜日に封切りになってから、
この映画の話題で持ち切りだった。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)を持つSteveの母親役には、
2009年に公開された『J’ai tué ma mère 』(マイ・マザー)でも、
グザヴィエ・ドラン演じる主人公の母親役を演じた、アンヌ・ドルヴァル。
この作品でもこのシーンのペンキの「赤」に、
完全に持っていかれた。

『Mommy』の場合は、
彼が母親にキスするシーンのほの暗い赤い光が、
じんわりと呼吸を苦しくさせた。
むしろ、
2時間15分、
全体に渡って、
透き通ったと思ったとたんに、
濁っていくような、
母と息子の「赤」の変化に、
二人のやりとりに思わず吹き出してしまったりしながら、
ラストシーンに向かうまで、
すこしずつ、すこしずつ、
じりじりと、
絶え間なく、
締めつけられていった。
カメラワークも、実に遊びごころに溢れていて、
演劇的だった。
彼の自分の目の前にある「なにか」に対する、
突破の仕方は、
実に気持ちがいい。
彼の作品にも、
余すところなく、
溢れ出ている。
強気にならなきゃいけない時の歌、
ASIA SunRise 『羽』

目の前に現れる壁は
 飛び越えられるものに 現れる
 飛び越えられない 壁はない
 飛び越えてゆくしか 道はない

皆様からのこの映画は「観ずに死ねない!」情報、
随時お待ちしています。

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