前回ブログに書きましたように、
先週は散々な一週間だったので、
週末もさすがに、
途方に暮れていました。
(前回ブログ:大げさにいうと「迫害」を受けて、泣き続けた一週間。)
ということで、
普段はあえて読まないようにしている自己啓発系の本を読むことに。
その1、
ジョフ・コルヴァン『究極の鍛錬』
題名のごとく、
「達人」レベルに達するまでのただの訓練ではない、
究極の鍛錬方法が、
精神論にとどまらず、
かなり具体的に論じられている、
自己啓発というより科学的な一冊。
この本が科学的に証明しようとしていることは、
生まれつきの「天才」はいないということ。
つまり、「才能」という言葉がつきものの、
不公平すぎるアートの世界に、
言い訳ができなくなる。
では、具体的に究極の鍛錬と普通の鍛錬の違いとは?
(以下引用)
1,しばしば教師の手を借り、実績向上のため特別に考案されている
2,何度も繰り返すことができる
3,結果に関して継続的にフィードバックを受けることができる
4,チェスやビジネスのように純粋に知的な活動であるか、スポーツのように主に肉体的な活動であるかにかかわらず、精神的にはとてもつらい
5,しかも、あまりおもしろくもない
この本を読んで思ったのが、
人間は決してひとりでは、
「達人」には、なれないということ。
例えば、人から、アドバイスされやすい人と、されにくい人、
つまり、アドバイスをしにくい人と、しやすい人というものが存在する。
これこそが、私がフランスに来て以来、
ずっと手に入れたいと思っている「軽さ」というベースで、
嫌なこともしっかり言ってもらえる雰囲気をまとうこと。
この側面から考えれば、
先週、ジョージにあの辛辣な言葉を言われたことは、
「軽さ」達成といえるのかも。
その2、話題中の話題の本!
スプツニ子『はみ出す力』
この表紙のグラビアと、
帯のコメント
”マサチューセッツ工科大28歳日本人助教が教える「自由に生きるヒント」”
これだけで、絶対読みたくなる。
先ほど、不公平に言い訳できない、
と書いたばかりですが、
彼女が「究極の鍛錬」をして得た「才能」に加え、
この「美貌」!
そんなこんなで、
すこし卑屈になりながら、
はじまったジョージ・ラヴォーダンとのスタージュ2週目は、
以前、シェイクスピアの『ヘンリー6世』の超難関なテキストを扱うスタージュを受けた、
イケメン俳優の個人補習を受けることから始まる。
先週は、校長が自ら時間をとって行ってくれた、
テキストの発音矯正を、
毎日1時間半ずつ実施。
なんて、恵まれているんだ。
これで、フランス語の発音を徹底的に練習できる!
しかし、火曜日、
最終的に、ジョージから渡されたテキストは、
フェドー作品の中では、
一番と言っていいほど有名な『Le dindon』(映画にもなっている)より、
フランス人男性の愛人であるイギリス人女性の役。
つまり、テキストは英語、そして、細かく指示された英語なまりのフランス語。
女優のためにあるようなシーンなので、
クラスの女子からは、羨望な眼差しを受けながら、
私の脳内は、いろんな言葉で、
破裂寸前。
イギリス人の役なので、
英語は、完璧に発音しないとそもそも成立しないし、
英語なまりのフランス語こそが、
笑いの鍵を握っているので、
日本語なまりのフランス語でも、
成立しない。
わざわざ、
私のためだけに来てくれているイケメン俳優と、
毎日、英語と英語なまりのフランス語の特訓の開始。
まさかの展開。
寝ても醒めても、
英語なまりのフランス語をひたすら練習する日本人(自分)の、
ひょうきんすぎる有様に、
やっぱり私に、「はみ出す力」はむずかしいな、と思う。
小さい頃から、
人と違うことがしたくて、
はみ出そうと頑張ってきたけど、
やっぱりそう簡単には、
はみ出せなくて、
はみ出そうとしなくても、
いつも自然にはみ出してしまっていたスプツニク子さんのような、
女の子たちと自然と仲良くなったし、
そんな彼女たちにいつも憧れていた。
でも、今は、いつまでも「はみ出せなかった」からこそ、
格好わるくても、
とても、速いとは言えない、
自分の努力のペースを認められた気がする。
「はみ出す力」に、
今でも、憧れるけれど、
「はみ出す力」も、
「はみ出ない力」も、
「はみ出したい力」も、
みんな、人それぞれ。
そして、竹中香子「はみ出せない力」があっても、
まあいいか。
追伸:
そんな「はみ出す力」代表とでも言うべき私の友人、
市原佐都子ちゃんの『迷迷Q』という作品が、
こまばアゴラ劇場で5月1日まで、上演しています。
http://qqq-qqq-qqq.com/Qwordpress/?page_id=721
私は、海を越えて観に行くことはできませんが、
心の底からオススメします。