年明け一発目は、
ピナ・バウシュ・ヴッパタール舞踊団にて、
1970年代からピナ・バウシュと活動をはじめ、
ほぼ全作品にて踊り続けたダンサー、
Francis Viet氏による1週間のスタージュ。
自己紹介なんて、
しみったれたものは抜きに、
突然、
音楽がかかり、
まるで、
子どものようなつるつるの表情で、
へんてこりんな、
ダンス?運動?
が、始まる。
よくわけのわからないまま、
見よう見まねで、
まねっこする私たち。
ものの2,3分で、
何にもしゃべらない自己紹介、
完了。
『春の祭典』(1975)
『Barbe Bleue(青ひげ)』(1977)
『Palermo Palermo』(1989)
映像で見ても、
圧倒的なパフォーマンス。
それにしても、
鮮やかすぎる。
2010年、
新国立劇場演劇研修所修了生のためのサポートステージ、
ベルナール=マリ・コルテス『ケ・ウエスト』(西埠頭)の
振付では、
日本に2ヶ月滞在し、
共同製作もしたそうです。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/20000378_2_play.html
フランシスのスーパー・シンプルな振付は、
自分が振付けしたような気分にさせる。
かつ、
となりで同じ動きをしてるクラスメートが、
振付けしたようにも見えてしまうから、
不思議。
最初の3日間は、
創作の連続。
与えられるいくつかの言葉をもとに、
思いついた人から順に、
作品を発表していく。
初日のお題は、
「sacré(神聖な)/peyen(キリスト教にとっての異教)」
冬休み前の3ヶ月は、
なんとかヨーロッパで、
演劇を勉強していく上で、
必要な知識を取り入れようと、
がむしゃらで、
創作のときも、
あまり日本に関係することは、
避けていたのですが、
年末年始に帰国して、
やっぱり、
日本のテレビは、
”超”面白かったり、
紅白には、
知らない人たちがたくさん出てたり、
好物の魚の西京漬がおいしかったりで、
「ジャポニズム」を扱うのではなくて、
私の育ってきた、
我が家のこたつ周辺の記憶を、
扱うこととして、
捉えてみたら、
ナルシスティックな抵抗も、
意地っ張りの違和感も、
きれいさっぱりなくなっていました。
ちょっと遅れているけど、
AKB48『会いたかった』の動画を、
神様にみたて、
小さくアイドルっぽいダンスを踊ったら、
フランシスのアイディアで、
12人全員で、
映画『アメリ』のサウンドトラック『Guilty』に合わせて、
恥ずかしがりやさんの恋する乙女のダンスが、
完成。
まさに、
マジック。
他にも、
生徒からでてきたアイディアをもとに、
びっくり箱のような、
1時間のスペクタクルが、
完成しました。
ヴッパタール舞踊団で、
さまざまな国籍の人たちと、
一緒に踊ってきたフランシスにとって、
私は、
フランス人に対しての、
日本人ではなく、
世界の中のフランス人と同じ、
世界の中の日本人だった。
だから、
自分の「国籍」じゃなくて、
自分の「記憶」に、
タッチすることができたんだと思う。
どんなに頑張っても、
テキストを扱うと、
理解度がみんなより、
(恥ずかしながら)
3割、多いときには、4,5割減くらいになってしまうので、
今回は、
はじめて、
10割わかったスタージュ。
アイ・ウェイウェイのおかげかどうかは、
わからないけれど、
年が明けて、
80%でいいものやるより、
100%ですごくいいか全然だめかわからないものをやろう。
という、
度胸が据わった気がする。
謝謝。