あまりにも濃厚な12日間を過ごしたため、
頭が空っぽになってしまい、
なかなかブログを更新できずにいました。
とりあえず、時を遡ってゆっくり書いていきたいと思います。
先月26日は、パリの郊外のモントロイユ市で、
去年から、参加しているLa Compagnie AORTEの公演『Manège』の、
4回目の再演がありました。
公式ホームページ:
http://compagnieaorte.wix.com/compagnie-aorte
私が、このプロジェクトに参加してから、ちょうど1年が経って、
1年前は、「oui」と「愛想笑い」ぐらいしか自己表現していなかったのに、
すっかり、私が、仕切ったりしていて、
ちょっと自分でおかしくなってしまいました。
今回の会場は、アートスペース”Comme Vous Emoi”
http://www.commevousemoi.asso.fr/
私たちは今年から1年半ここのレジデンスアーティストに選ばれて、
舞台美術込みで、いつでも稽古場を使わせてもらえる代わりに、
たまに無料で公演を行います。
若いカンパニーにとっては、
無料、有料に関わらず、
いかに多くの劇場関係者の目に触れられるかが最も重要なので、
私たちにとっては、願ってもないチャンス。
この日は、モントロイユ市の市長まで見に来てくれて、
今後の助成金に大きくつながりそうな公演でした。
日本の場合、
助成金というと、活動実績が最も考慮されるイメージがありますが、
フランスの場合、さすが、芸術の国だけあって、
アーティストの卵たちを応援する助成活動が、
演劇に限らず、多く存在します。
有名なのは、パリ市が行っている若者アーティスト助成
PARIS JEUNES TALENTS
http://www.jeunes.paris.fr/les-aides-paris-jeunes-talents
13歳から30歳までのアーティストを対象に、
書類と公演オーディションを行い、
5万から最高15万円の助成を受けることができます。
つまりは、学生の間に、
この助成金の波にのって、
いかに、多くの「出会い」に遭遇できるかがポイント。
劇場には、必ずと言っていいほど、
バーがあり、
公演後、2時間は営業しています。
役者、演出家に関わらず、
ワインを飲みながら、
とにかく、出会って、
とにかく、話しまくる。
これが、フランス流ポートレイト。
いつでも人に見せられるような、
個体としての作品を持たない、
演劇人にとってのポートレイト。
それは、おそらく時間と空間の芸術である演劇の空気を、
いかに、身にまとって生きていけるか。
アーティストは、
時を重ねて、
いつの日か、
最高に格好いい「手ぶら」を目指す。