「マリオネット」30時間ワークショップ

月曜日から、フランスの学校では、
早くも春休みに突入しています。
私たちのコンセルバトワールでは、
この長期休暇を利用して、
1日6時間×5日間=30時間に及ぶマリオネット集中ワークショップ。
本日4日目。
フランスでは、国立のマリオネットの学校が存在するほど、
マリオネットは、舞台芸術の中のひとつのカテゴリーとして確立しています。
École nationale d’apprentissage par la marionnette (ÉNAM)
また、俳優養成の一環として、
フランスでは、多数のコンセルバトワールが、
オプションとして、マリオネットを実技に取り入れています。
私は、何事もおおざっぱな性質で、
いまいち繊細さに欠けるタイプなので、
マリオネットなんて、絶対に苦手だろうなあ、と心配していたら
案の定、下手にもほどがあるほど下手でした。
まず、初日、
い
顔のないマリオネットをひたすら観察します。
1時間以上、ただ眺めたり触ってみたり、
この時間を通して、
マリオネットが、無生物であることを強く実感しました。
2日目、
う
目のついた顔だけのマリオネットを使って、
自分とマリオネット2人のシーンを構成します。
3日目、
あ
3人一組で、
それぞれが身体のパーツを担当し、
一人の人物を作り上げます。
極度の集中力と、
他者を聞く力が要求され、へとへと。
4日目、
人間を操るエクササイズからスタート。
3人で、1人の人間を表情から足の先まで、
丁寧に操作していく。
そして、最終課題。
自分とマリオネット、そして、自分の身体の一部分である「手」を使って、
3人のシーンを作り上げます。
この4日間を通して、
先生がひたすら繰り返して来た言葉は、ふたつ。
-décomposer (分解する)
そして、
-La dichotomie (二分対立、二分)
つまり、物事をひとつひとつこまかく切りはなして、
より明確なものにしていくこと。
同時に、多数の情報を提示しないことで、
観客に、想像する隙間を与える。
まさしく、俳優に求められること。
マリオネットは、決して心理的(感情を通じて)に創作してはいけないそうです。
たとえば、マリオネットの頭をただ右に傾ける。
この情報ひとつで、
どこまで、観客に与えたいイメージをクリアにできるか。
明日は、まとめのミニ発表会。
自分を聞いて、
他者を聞く。
そして、
静寂にそっと耳を澄ます。
マリオネットを扱うことは、
「孤独」を扱うこと。
小さいころ、
母が帰ってくるのを待ちながら、
一人二役も三役もして遊び続けた、
リカちゃんハウス。
動かない、
しゃべらない、
だけど、
決して裏切らない、
お人形。
彼らを大切にやさしく扱った感覚を、
大人になった今も、
自分の周りにいる血の通った人間たちに対して、
決して忘れないように。

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