あと、3日で本番です。
先週から集中稽古が始まり、
パリ市内のフォトスタジオを格安で借りて、
追い込みの真っ最中です。
この作品は、昨年5月にコンセルバトワールのホールで上演されて、
(当時のブログ:http://millcorun.blog.fc2.com/blog-entry-199.html)
そこで、観に来てくれた劇場のディレクターが、
現在、パリの20区で行われている、
若手カンパニー向けのフェスティバルにプログラミングしてくれてました。
FESTIVAL PÉRIL JEUNE
http://www.confluences.net/
さて、このように、
フランスで、アマチュアの劇団が公演を打ちたいと思ったとき、
フランスの一見、有意義に思われる劇場システムが、
邪魔をしてきます。
フランスの劇場は、
日本で言えば、「小劇場」的な小屋でも、
1年間の上演スケジュールが、毎年9月に発表されます。
その演目を決めるのは、
もちろん各劇場の芸術監督。
貸し館公演が非常に少ない。
つまり、お金を出したからと言って、
無名の劇団が、そう簡単に劇場を借りることが出来ないのです。
他には、このようなフェスティバルの書類審査を受けるか、
企画書を、直接劇場に持ち込む。
アビニョン演劇祭(OFF)のような、
選考なしに、公演できる場を与えてくれるような機会は、
めったにないそうので、
夏、アビニョンにあれだけの演劇人が集まるのも、
当たり前だな、と実感。
(アビニョン演劇祭に関するブログ:http://millcorun.blog.fc2.com/blog-date-201207-9.html)
そこで、重要になってくるのが、
劇場関係の人とのコンタクト。
国立のコンセルバトワールレベルになれば、
黙っていても、
公演ごとに、劇場関係の方々が、若手の才能を探しにやってくるでしょうが、
そうでもなければ、
とにかく自力で、
お金を集めるのではなく、
プロフェッショナルまわりの人たちに作品を観てもらうことが重要になってきます。
「つて」という「つて」は、
すべて頼ります。
一方で、
フランスの演劇システムは、
作品に優しい。
いい作品は、
何度でも何度でも、
繰り返し上演することが可能だからです。
舞台芸術は、
公演期間がなくなったら、
消えてしまう。
でも、関わった人たちに憑依して、
続いていく、可能性がある。
作品を生み出した私たちは、
いつのまにか、作品に憑依されて、
なんだか、
むしろ、
作品に動かされている感じ。
個人的なことですが、
去年、この作品に関わったときは、
正直、言葉の問題で、
細かいニュアンスまで、理解できていませんでした。
恥ずかしながら。
昨日、稽古中に、
自分の出ていないシーンを演出家と一緒に観ていて、
あまりにもいろんなことが、
すとんと、理解できて、
感動して泣きそうになってしまいました。
思わず、みんなに、
「この作品、いい作品だね。」と感想を言って、
「いまさら!?」
と、笑われてしまったけど、
私たちは、
自信を持って、
金曜日、
さらに進化した『MANEGE(マネージュ)』初日を迎えます。