本日、ドラマツルギーの授業、第2回目。
今日の課題は、
モリエール『タルチュフ』より、
フランス演劇界では誰もが知っているほど有名な、
お互い好き合っているのに素直になれない恋人同士のシーンを、
(第2幕 第4景 マリアンヌ&ヴァレール)
前にこのブログに書かせていただきました、
ロラン・バルト『恋愛のディスクール・断章』より、
http://millcorun.blog.fc2.com/blog-entry-229.html
”Altération”(「変質」)の章を用いて、
「身体的動作」として、再解釈し、発表するというもの。
フランス人でも、課題を理解するだけでも精一杯というほど、
この授業は、とにかく難解。
簡単に、タルチュフのシーンのあらすじ。
マリアンヌとヴァレールは恋人同士。
マリアンヌは、父親にタルチュフと結婚するように言われる。
ヴァレールは、やめてと言いたいのに、意地を張って、結婚したらいいという。
マリアンヌもまた、やめてと言ってほしいのに、意地を張って、他の女の人のところにいけばという。
”Altération”(「変質」)に関するレジュメ。
以下引用。
恋愛の領域に見られる現象で、恋愛対象についての反・イメージの瞬間的産出。
恋愛主体は、ほんのささいなできごと、かすかな表情などが原因で、
「善きイメージ」が突如として変質し、転覆するのを見る。
要は、なにか、
他人にとってはどうでもいいようなことで、
好きな人に対して、「冷めて」しまうこと。
つまりは、この現象をタルチュフのシーンに組み入れていくということ。
2人組になって約40分間の創作時間が与えられたのですが、
もちろん、時間は、全然足らない。
各グループ、未完成ではありながら、
さまざまなプロポジションが提示されました。
「冷める」恋人のささいなしぐさ。
・いいところで携帯電話がなり、しかもそれに応答する。
・パンツがお尻にくいこんでしまうのを直す。
・握られた手が湿っている。
などなど。
ちなみに、先生が本当にやりたかったところまでたどり着けたのは、
1グループだけで、
あとは、最後までやらせてももらえず。
タルチュフの戯曲を解釈することが目的なのではなく、
あくまで、いかに具体的な「状況」というものを、
提示できるかがポイント。
私のグループは、
作品としては、完成していたし、
先生に、提案も悪くないと言われたのに、
私が、台詞を覚えられなかったため、
パロディにしかならない、と言われ最初の3行しかやらせてもらえませんでした。
これは、一番最悪なパターン。
しかも、もっと最悪なのが、
実は、ここ3日間、計5時間以上かけて、
3ページの台詞を覚えたはずのに、
舞台の上で、演技と一緒になるとやはり出てこないという事実。
去年から、わかっていたことなのに、
最後のつめの甘さで、こういう結果になりました。
100が完璧だとしたら、
80くらいでやめることは、
残念ながら、0と変わらないということ。
正直、99でも、0と変わらないかもしれない。
それぐらい、たとえ授業であっても、
舞台の上は神聖で、
恐ろしい場所だ。
まだ、授業が始まって2週間しかたっていないので、
なかなかクラスの生徒ともなじめないでいたのですが、
演劇の場合、
人に心を開くことも、仕事のひとつ。
いますぐ帰って、閉じこもりたかったけど、
パートナーだった子に、
本当は、たくさん時間をかけて一生懸命覚えたのに、
人前に出たら、台詞出てこなくて、
本当に悔しかった。
次は、もっと、完璧に覚える。
と、伝えました。
もちろん、泣きました。
いい年して、いい加減人前で泣くのもどうかと思うけど、
私にとっては、
そのまま、話さないでさっさと帰って家で一人で泣く方が簡単だった。
でも、やっぱり、ここは、「学校」だから、
これからも、1年間つき合っていく同志だから、
自力で伝えました。
そしたら、
おなかすいたね、
と言われて、
スタジオに残っていたメンバーでお昼ごはん。
新学期、
新しい環境で、新しい人にたくさん出会って、
一番にやること。
「潔く、何回でも失敗できる場をつくる。」
失敗の可能性の低い挑戦は、
当たり前だけど成功の可能性が高い。
成功の可能性が低い挑戦は、
当たり前だけど失敗の可能性が高い。
そして、
成功の可能性が低い挑戦には、挑戦の「数」が必要。
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こんにちは。
演劇、、、、、。奥がふかいですね!
僕は料理人なんで分野がちがいますが、たくさんの場数をこなさないと解らない事が多いです。
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