ワンマンショー@ドストエフスキー・ナイト!!!

2月から、ずっと取り組んで来た作品、
ドストエフスキー『おかしな人間の夢』のアダプテーション、
『おかしな香子の夢』が、
終了しました。
初めての作・演出・出演!
スクリーンショット(2012-06-16 8.57.48)
2月のバカンス期間中に30時間の集中スタージュがあって、
そこでベースとなる作品をつくり、
中間発表を経て、
公演に至りました。
スタージュ中のブログ:
正しい狂気の作り方ードストエフスキー『おかしな人間の夢』
究極一人芝居(演出家ワークショップ1日目)
恒例の「抱きしめ合う」エクササイズをしながら、初めてフランスに来てよかったと思った(演出家ワークショップ最終日)
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昨年9月の登録時には40人いて、
オーディションで20人になって始まったこの演出クラスですが、
なんと、今日までこぎ着けたのは5人…
まあ、去年は最後3人になってしまったらしいので、
それよりはましでしょうか…
公演当日、
観客との関係を一番に考えるため、
大きな劇場の立派な客席をすべて無視して、
舞台上に、椅子をのせて、
そこに座ってもらいました。
照明も舞台上全体に合わせ、
役者も全員、舞台にいて、
観客とおしゃべりしながら、
開演を待ちました。
私は、トップバッター。
私が、今回の公演で一番やってみたかったことは、
「落語的演劇」
観客を舞台に参加させるとか、
観客いじりとか、
そういうことではなくて、
パフォーマンス自体を、
人にものを「語る」形式にすること。
もちろん、舞台上を走り回ったり、
身体のみでパフォーマンスするシーンなどもあったのですが、
とにかく、
後ろを向いてても、
しゃべってなくても、
「語り」続ける。
このことを意識せずにやっている、
海外の俳優は意外と多いと思います。
普段の生活の違いを考えれば、
当たり前のことだけど、
舞台に立つと、決定的な基盤につながる気がするのです。
ちなみに、
私は、
コンセルバトワールに入ってから、
3ヶ月間は、
観客の目が怖くて怖くて、
一切、観ることが出来ませんでした。
ヨーロッパの役者がいいとか、日本の俳優がいいとか、
そういうことではなくて、
要は、意図的か意図的でないかということ。
日本にいるときは、
自分が舞台から、
観客にダイレクトに視線を投げ掛けることが出来ない、
ということを知らずに、
投げかけない方法をとっていたから。
以前、同じクラスのフランス人の男の子に、
彼がクラスで発表している最中に、
長時間にわたって見つめられながら、
台詞をしゃべられて、
私は泣きそうになってしまったことがあります。
観客に直接「語る」ということは、一歩間違えれば、
暴力。
そこで、思い当たったのが、
「落語」
落語の語りの構造って、
観客を何か驚かせようとか、
笑わせようとかして、
直接語りかけているのではなくて、
噺家さんが、
自分のパフォーマンスをより面白く、より濃くするために、
観客の雰囲気を感じ取っているような気がするのです。
自分のベストパフォーマンスのために、
観客への集中をとぎらせない。
そこで、自分のパフォーマンスがあがれば、
観客のリアクションも大きくなってくる。
ポジティブのサイクルが生まれる。
こんな理論的なことが実際、
出来たのかはわかりませんが、
とにかく、30分間、
観客との関係のサイクルは順調にまわり続け、
爆笑。
友達に、面白すぎて、
ドストエフスキーのこと忘れてた…
と言われてしまい、
この小説の解釈にもかなり時間をかけたのに、
やっぱりバランスって大事だな、
と反省しました。
結果、
今回は、一人芝居ではなくて、
ワンマンショー、
というか、
スタンドアップコメディーになってしまったみたい。
まだまだ修行が必要です。
でも、この公演で、
私が、フランスで追求していきたいことが、
明確になって、
だから、
もう少し時間も必要です。
ちなみに、
なんと、この日は、もうひとつ、本番が控えていて、
休憩中に、
国立コンセルバトワールに走って移動し、
もう一公演してきました。
嬉しい疲労。

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