池澤夏樹×『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』

去年の終わりに観たピナの映画、
『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』
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私は、この映画をひどく気に入ったのですが、
この熱い熱い気持ちを、
「感動した!」
とか、
「すごい!」
とか、
「めっちゃいい!」
とか、そんなありふれた言葉でしか、
表せませんでした。
面と向かって、
私のしゃべりのエネルギーと一緒なら、
これらの言葉をやたら繰り返し、
相手に伝えることは出来ても、
悔しいけど、
文字になってしまったら、
マンガのふきだし程度の重みしかありません。
朝日新聞の文化欄に、
小説家、翻訳家、そして批評家でもある、
池澤夏樹氏のこの映画に対する評を見つけました。
文章の力って、
すごい。
わたしのパンの生地みたいな想いは、
勝手にこねられて、
寝かされて、
あっという間に、
熟成されました。
「これが踊りか。
これが踊りだ。精神の動きを肉体が表し、
肉体の勝手な衝動を精神はとまどいながら受け止めて
また肉体に返す。
我々が毎日とても稚拙にやっていることのエッセンスを抽出し、
純化し、
最も美しい形に仕立て上げたもの。」
(朝日新聞 2012/04/03)
読んだ瞬間、
パソコンで、
ひらがなで、思ってること全部かきまくって、
それが、いっぺんに漢字に「変換」された感じ。
【稚拙美】 幼稚でつたないが、素朴さ・純粋さが感じられる美。
ピナのダンスは、
彼女の、
ダンサーたちの、
人間の、
そして、わたしたち全員が所有しているもの。
もしくは、していたもの。
それは、
究極に洗練された子どもの「精神」による、
大人の「身体」のダンス。
だから、
わたしは、
心底嬉しくて、
心底悲しくて、
心底怒ってしまう。
芸術批評は、
時に、
芸術以上に、
アーティスティック。
池澤氏の書いた文章の力が、
完全に、
この映画の記憶にぬりえした。
鮮やかすぎる。

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