コンセルバトワール15区の公演が終わったのもつかの間、
昨日は、演出クラスで6月に行われる公演、
『ドストエフスキー・ナイト』のワークインプログレスでした。
先生の知り合いのプロの演出家や役者の方々が、
6人ほど参加してくれました。
2時間の公演のあと、1時間のディスカッションの予定でしたが、
いつもどおり、ディスカッションが白熱して1時間延長しました。
火曜日に公演が終わってから、
授業以外は、
昼寝ばかりしていたので、
すっかり稽古ができず、
4月にもまたワークインプログレスが行われる予定だったので、
今日は断念しようと思っていたのですが、
スタジオについたとたんに、
先生のマリオンに、
「発表、香子ちゃんから始めるからね!」
と、断言されてしまい、
もはや断れない状況。
マリオンは、いつも、
「いかに、作品に『インプロ』の場所を残せるかが、作品をいつでも初演に保つ秘訣だ」
と、私たちに言います。
なので、
準備不足だけど、新しいお客さんもいるし、
やってやるぞ!
と思って、私の約30分間の一人芝居、
ドストエフスキー『おかしな人間の夢』より、『おかしな香子の夢』スタート。
おかしい…
もちろん、今までにも、何回も皆の前で、
発表しているので、
滞りなく出来たのですが、
「インプロ」も、
「ミラクル」も、
何も起きなかった。
その分、自分の演出を丁寧に忠実に落ち着いてできて、
終わってからのディスカッションでも、
構成について、褒めていただけましたが、
役者としては、
もっと、もっと、
あの時の、あの空間でしかプレゼントできない、
お客さんへの『おまけ』が、
絶対的に不十分だったと思う。
それが、なかったからといって、
作品には支障はないのですが、
やっぱり『おまけ』こそが、
作品をちょっとだけ、
もしかしたら、根底からリッチにする。
おそらく、
マリオンのいう「インプロ」とは、
この『おまけ』のこと。
つまり、私の恥ずかしい勘違いとは、
本番で「インプロ」が生じる余地を残しておくためには、
稽古しすぎてはいけない、と思っていたこと。
「インプロ」(ミラクル)は、
稽古に、稽古を重ねて、初めて生まれるもの。
稽古不足のときには、絶対に期待できない。
むしろ、期待してはいけない。
それは、ただの「怠慢」
逆に、本番で、稽古通りのことが行えるように、稽古するんじゃなくて、
本番で、ミラクルを起こすために、稽古しまくる。
稽古しまくってるからこそ、
勇気を出して、「インプロ」(リスク)を冒せる。
ということがわかったので、
無理矢理やって、
恥ずかしい思いができてよかったです…
反省。