ドストエフスキー『地下室の手記』@売春宿

フランス語に [oser] (オゼ)という動詞があります。
[to dare]
直訳すると「思い切って〜する」という意味の動詞です。
否定形で使うと、「そんなこと出来る訳がない」
というような意味になります。
この動詞、
演出の授業で、超頻出単語!!
役者が、舞台上でいかにリスクを冒せるか、
常に、安全な場所には、決してとどまらない。
というか、このクラスの授業自体が、
私には、常に、戦場で、
まさに、oserの連続。
さもないと、
まさに、「開けない缶詰」
美味しく食べることもないし、
かといって、
腐ることもない。
今日の、課題は、『地下室の手記』の中の、
リザと男が娼婦と客として、出会うシーンを、
それぞれが演出プランを持って、
パートナーと発表すること。
もちろん、戯曲ではなく、小説なので、
概要だけ決めて、
あとは、インプロビゼーション的な形で進める。
私は、まず、パートナーを頼むことがozer出来ませんでした。
作品の途中で、言葉がわからなかったら、
ぶちこわしてしまうし、相手に迷惑かけるし…
なにも準備できないまま、授業へ。
発表の前のエクササイズとして、
シーンを物語の過程にそって、
5つに分けて、
それぞれにタイトルをつけ、
その5つの変化がしっかりわかるように、
二人の身体だけで進行させていく、
というものをやることに。
タスクは、
シーンの変わり目を、二人で感じ取って、
タイトルを同時に言う。
本当は、決まったパートナーと二人で行うエクササイズだったのですが、
これしか参加できない!
と思って、
「やりたいけど、相手がいません!」
と、oserしてみました。
そしたら、近くにいた男の子が、
「やっていい?」
と、言ってきてくれて、
なんなくスタート。
相手を常に意識していないと、
タスクが達成できないので、
どちらがイニシアティブをとるか、常に集中して、
後半は、二人の間に、
徐々に、関係ができて、
大胆にoserできました。
そのあと、他の子が、
パートナーを頼んで来てくれた。
どうやら、
「はじめの一歩」の次は、
2歩目じゃなくて、
やっぱり、また、
「はじめの一歩」
みたい。
それにしても、
いつも思うのが、
こっちの生徒たちは、
まだ若いのに、男女の絡みも、
なんのはずかしげもなく、
作品において、必然さえあれば、
稽古でもいつでも、
どんどんやる…
やっぱり、
ちょっとどぎまぎしてしまう。

1件のコメント

  1. Ma-Ya · 12月 11, 2011

    SECRET: 0
    PASS: a8b1b10112571513c1c2401bc888ca00
    きょーこちゃん、
    フランスで人間臭く生きているみたいで、嬉しくなったよ!
    来週会えるの楽しみにしています。
    Ma-Ya

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