あけまして、川端康成『みずうみ』

おけましておめでとうございます。
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意気込みを、表せるような景色を発見したので、
写真撮りました。
2011年、最初の一冊は、川端康成『みずうみ』。
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 美しい女を見ると、憑かれたように後をつける男、銀平。教え子と恋愛事件を引き起こして学校を追われた元教師の、女性に対する暗い情念を描き出し、幽艶な非現実の世界を展開する異色作。
ひとことでいえば、ストーカーのおはなし。
当時、『伊豆の踊子』『雪国』など、日本的な叙情を背景にした川端文学のファンはこの作品を完全否定したそうです。
たぶん、うちらの年代でも、
川端さんって、おとなしめなイメージが強いです。
でも、これは、もう18禁ってほどパンチきいてました。
さっと、読んだら、文学的!って感じで終わってしまうかもしれないのですが、
映像化しながら、読んでみちゃったりなんかすると、
もう、ちょっと恥ずかしくなってしまいます。
それは、想像ではなく、
かかれている文章のディテイルを、
すのまま言われた通りに、順々に紙に描いていく感じ。
そうすると、たとえば、
男女の何の気ない会話でも、
女の手が、男の腰に会ったんだなとか、
男の頭の上に、女の頭があって、女の視界には、男の白髪が映っていたんだな、
ってことが、
わかりすぎるほど、わかってしまうのです。
そんな、正直すぎる文章。
ツルゲーネフの『はつ恋』を思い出しました。
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 16歳の主人公は、家族といっしょにモスクワ郊外の別荘で夏を過ごしていました。時代設定は1833年。日本で言えば江戸時代の末期でしょうか。青年は、隣の別荘を借りて引っ越してきた公爵家の令嬢に一目ぼれをしてしまいます。公爵令嬢は、家は傾いているとはいえ、身分に相応しく凛とした身のこなしで青年を家にさそいます。20歳を超えた令嬢は、年下の青年を翻弄します。
「わたしきょうからあなたをお小姓にとりたててあげるわ」
 青年は彼女の虜となり、これが恋なのだと知ります。しかし、恋する青年は、令嬢のしぐさから、令嬢も自分と同じように恋をしていることを知ります。彼女は恋に落ちた、しかし、誰と? 青年は相手を見つけ出そうとします。

「少女」って、なんでこんな
「清」で、
「麗」で、
「純」で、
「美」で、
「聖」で、
それでいて、
「危」で、
「艶」で、
「脆」で、
「憐」で、
「暴」
なんだろう。
今年も、よろしくお願いいたします◎  竹中香子

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